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溶融スラグ・ガラスの粘性 溶融スラグ・ガラスの粘性
―物性工学的アプローチによる
   多成分系複雑液体の高精度な粘度推算法―
品切・重版未定

飯田孝道・喜多善史・上田 滿・森 克巳・中島邦彦 著

2003年6月25日 初版1刷
ISBN 978-4-901496-07-0 C3043
発行 アグネ技術センター
B5判・並製/ 183頁
定価 ―――(本体価格3,400円+税)

→厚さ:11mm,重さ:450g

鉄鋼、非鉄金属、ガラス、エナメル、石炭の液化・ガス化、廃棄物の溶融処理など、溶融スラグ・ガラスのような複雑液体を扱うなかで、融体の粘度はもっとも重要な物性値であり、高精度の「粘度管理」がプロセスの高効率化、材料の高機能化・有効利用に必須の条件である。多種多様な溶融スラグ・ガラスの「粘度管理」には測定精度と同等の高精度な粘度推算式が不可欠である。しかし、複雑液体に対して、2体力近似のもとに構成されている液体論に従って、高精度の粘度値の算出を望むのは無理であり、また単なる実験式では適用範囲が狭く粘度推算式として極めて不十分である。
本書は、このような「粘度管理」の要望にこたえることを目的として、工業プロセスで扱う実用の溶融スラグ・ガラス(一般に、多成分系)に対する高精度の粘度推算法について解説したものであり、また新しい材料プロセス工学創造の試みでもある。

[目次]

第1章 液体論概説
 1.1 液体とその特徴
 1.2 単純液体と複雑液体
   (1)単純液体
   (2)複雑液体
 1.3 物質の3態の特徴と分子の運動状態
 1.4 2体分布関数と液体の構造
   (1)2体分布関数の意味と性質―液体の構造―
   (2)実験による2体分布関数の決定
 1.5 液体論の構成
   (1)分布関数理論
   (2)模型理論(格子理論,自由体積理論,細胞理論,空孔理論)
   (3)相応状態の原理
   (4)輸送係数に対する非平衡統計力学
 1.6 液体論の問題点
  参考文献,参考書

第2章 融体の不規則網目構造モデル
 2.1 融体の不規則網目構造モデルに関係する基礎事項
   (1)酸性酸化物,塩基性酸化物,両性酸化物
   (2)塩基度
 2.2 融体の不規則網目構造モデルの特徴
 2.3 不規則網目構造と融体の粘性
   (1)粘度および動粘度
   (2)ニュートン流体と非ニュートン流体
   (3)単原子分子液体の粘度(不規則網目構造をつくらない融体の粘度)
   (4)不規則網目構造をつくっている融体の粘性
 2.4 不規則網目構造をつくっている融体の結晶化・ガラス化
  参考文献,参考書

第3章 不規則網目構造をつくっている材料と粘性
 3.1 溶融スラグ・フラックス
   (1)製錬プロセス
   (2)精錬(精製)プロセス
   (3)連続鋳造プロセス
 3.2 溶融ガラス
 3.3 セラミックス,セメント,石材
   (1)セラミックス
   (2)セメント
   (3)石材(花崗岩質岩類)
 3.4 廃棄物(ごみ)溶融スラグ
  参考書

第4章 溶融スラグに対する,高温用粘度標準物質(SRM)とその粘度(推奨値)および一般的な粘度測定値の不確かさ
 4.1 高温用粘度標準物質の重要性
 4.2 高温用粘度標準物質(SRM 1, SRM 2)の化学組成と粘度測定
   (1)SRM 1, SRM 2の化学組成
   (2)SRM 1, SRM 2の粘度測定
 4.3 高温用粘度標準物質(SRM 2)の粘度推奨値
 4.4 一般的な粘度測定値の不確かさ
  参考文献

第5章 溶融スラグ・ガラスに対する粘度推算式
 5.1 粘度推算式
   (1)Riboudらの式
   (2)小山らの式
   (3)Kimらの式
   (4)Urbainらの式
   (5)杉山らの式
   (6)Seetharamanら(KTH)の式
   (7)NPLの式
   (8)飯田らの式
   (9)Guptaらの式
   (10)Ling Zhangら(GKW/CRC)の式
   (11)その他の式
 5.2 従来の粘度式の問題点
  参考文献

第6章 溶融スラグの粘度推算に関する国際的研究‘ラウンド ロビン(ROUND RIBIN)’プロジェクト
 6.1 ラウンド ロビン(R-R)プロジェクト
   (1)目的
   (2)参加国および参加機関の数
 6.2 スラグの化学組成および粘度の測定値と推算値の比較
   (1)測定値と計算値(推算値)の相対的差異
   (2)測定値と推算値の比較―鋼の連続鋳造用モールドフラックス,高炉系スラグ,コールスラグ―
  ラウンド ロビン プロジェクトの報告書

第7章 サスペンションの粘度
 7.1 サスペンションの粘度式―粘度と分散粒子の濃度(固相率)との関係―
   (1)希薄分散系
   (2)濃厚分散系
 7.2 サスペンションの粘度測定に適した粘度計
 7.3 溶融スラグ系のサスペンションに対する粘度の測定例
  参考文献,参考書

アペンディクス―飯田らの粘度推算式(The Iida model)―
 1.粘度推算式の導出に対する融体の構造モデル
 2.高精度な粘度推算式の導出
   2.1 ネットワークパラメーターと塩基度指標の関係から得られる粘度推算式
   2.2 溶融スラグ・ガラス中の両性酸化物の固有係数
   2.3 溶融スラグ・ガラスに対する一般化した高精度の粘度推算式
 3.飯田らの粘度推算式による計算方法
   3.1 粘度の計算プロセス
   3.2 粘度の計算方法−取鍋精錬スラグに対する粘度の計算例−
 4.飯田らの粘度推算式の溶融スラグ・ガラスへの適用
   4.1  鋼の連続鋳造用モールドフラックス
     (1)溶融モールドフラックス中の両性酸化物Al2O3,Fe2O3の修正した固有係数
     (2)粘度計算値の再現性
   4.2 高炉系スラグ
     (1)高炉系溶融スラグ中の両性酸化物Al2O3の修正した固有係数
     (2)粘度計算値の再現性
   4.3 コールスラグ
     (1) SiO2を50〜60%含むSiO2-Al2O3-CaO-MgO系融体中のAl2O3の修正した固有係数
     (2) 粘度計算値の再現性
   4.4 溶融花崗岩質岩類―マグマ性の多成分系ケイ酸塩融体―
     (1) 非線形最小2乗法による修正した固有係数α*Al2O3α*Fe2O3の同時決定
     (2) 粘度計算値の再現性
     (3) 計算値と測定値の比較
   4.5 鉛ガラス
      (1) PbO-SiO2-CaO系溶融ガラス中の修正した固有係数
     (2) 粘度測定値の再現性
     (3) 計算値と測定値の比較
     参考文献,参考書
 5.数学モデルに基づいた粘度推算式の問題点
   5.1 粘度推算式の再現性
     (1) Hurstらの式
     (2) 飯田らの式
     (3) 粘度計算値の再現性
   5.2 粘度推算式の適用性
     (1) Hurstらの式
     (2) 飯田らの式
   5.3 数学モデルの問題点

 索 引

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