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技術紹介


第2回  蛍光X線分析装置による含有元素の定性・定量分析
アグネ技術センターでは、最新型のフィリップス社製全自動蛍光X線分析装置(MagiXPRO)を導入して含有元素の定性・定量分析を行っています。
試料は微小量の粉末から大型の塊まで、形、量とも千差万別ですが、その都度、依頼先の試料や条件に適応して正確な分析値を迅速に提供しております。

蛍光X線分析とは
試料物質にX線を照射すると、その物質から元素特有のX線(特性X線)が発生します。このX線は蛍光X線と呼ばれ、調べることによって試料中に存在する元素の種類および量を求めることができます。
前者を定性分析または元素分析、後者を定量分析といいます。

蛍光X線分析装置
蛍光X線分析装置には大別して,波長分散型およびエネルギー分散型があります。前者は分光結晶とスリットを組み合わせたX線分光器を用いて波長を選別するのに対し、後者は半導体検出器で直接X線を検出し、マルチチャンネルアナライザーでエネルギーを選別します。
フィリップス社製全自動蛍光X線分析装置(MagiX PRO)(図1)での測定を以下に示します。


図1 フィリップス社(現パナリティカル)製全自動蛍光X線分析装置 MagiX PRO

定性分析
試料量の多少に関わらず92U〜11Naの範囲の定性分析が可能です。
試料サイズは直径50mmを越える固体試料は切断などが必要となります。
食品中の異物のような微少試料では、濾紙、セロテープ、両面テープ、ポリプロピレンフィルムなどを用いて試料を保持、測定します。
少量の粉末の場合は、濾紙上に試料を圧着して、ポリプロピレンフィルムでカバーして測定します。
試料粉末が多量の場合は、プレスしてペレット状に成型して測定します。

定性分析の一例として,50円白銅硬貨の元素分析を図2に示します。また,食品中の微量な異物なども迅速に判定できます(図3、図4参照)。


図2 50円白銅硬貨の測定チャート例(Rh管球,分光結晶)

図3 卵焼き表面黒変部
銅が検出されました
図4 笹かまぼこ表面の黒変
鉛が検出されました


定量分析
標準試料を使って検量線を求めて定量分析するオーソドックスな方法の他に超高速スキャンタイプIQ+法による迅速定量分析が可能です。
IQ+法とはファンダメンタルパラメータ法(FP法)を用いた定量分析ソフトウエアによる分析方法で、標準試料を用いなくても最速1分の全スキャン定量分析ができる方法です。
(1) IQ+法の特長
標準試料を用いなくてもマトリックス効果を除去できるソフトウエアにより92U〜11Naの範囲の定量分析が可能、短時間測定(通常、約15分)、1mm直径程度の小試料でも試料保持の工夫により定量分析が可能。

(2) IQ+法による分析値と規定値との比較
JIS規格で分析値が求められている平板金属試料を測定して、IQ+法による値と比較してみました(表1)。

表1 ステンレス鋼(SUS304)の分析比較
元素規定値(JIS)
A(%)
IQ+法
B(%)
誤差
(B-A)/A×100(%)
Fe69.74269.447−0.4
Cr18.65018.817+0.9
Ni8.8608.725−1.5
Mn1.7801.721−3.3
Si0.4700.462−1.7
Co0.2300.2310.4
Mo0.0720.061−15.2


この表をみますと、元素含有量(質量)が 0.2%以上では誤差はほぼ5%以内ですが、0.1%以下になると誤差は10%以上になり、0.1%以下の微量分析を除いて、0.5〜99%の広い範囲にわたって迅速に元素含有量の定量値を求めるにはIQ+法は適していることがわかります。

土壌の定量分析
土壌中に数10ppm〜数100ppmの微量物質が含まれていますが、その元素の含有量は標準試料による検量線法を用いて正確な定量値を求めることができます。

出典:金属,Vol.74 No.3 (2004), pp.100-101.

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